ZBrush coreフィギュア原型-4:反省文(大失態のWF出展編) [デジタル原型チャレンジ]
はぁ…。
気が進みませんが、恥を忍んで書き残しておきます。
前回記事でほぼパーツが揃ってきていたデジタル原型・3Dプリント初挑戦のパーツ群。
原型として仕上げるべく出力したパーツにサフを吹いて表面処理のターン。
Photon出力が思ってた以上にきれいで、少々の積層痕はこれサフ吹いたら消えるじゃん!!なんて思っていた時期もありました。
あるあるですが、いざサフを吹いてみたらこれが予想外に目立つところが結構ありましてですね…。
とはいえ別にPhotonの性能がどうこうということではなく、十分なクオリティで出せてはいるんですが原型としてはそのままは使えないな、と。
必死でヤスりますが、普通のレジンキャストパーツとUVレジンではやはり樹脂特性が違うので、思うように表面処理が進みません。
とにかくやるしか…!!と邁進しますがまぁギリギリです。
ただ、やっぱりサフ色になってみると、手作業アナログ原型ではとても出せないディティールがそれなりに出ていて、あーこういうの商業原型でみたことある!!って感じでなかなか嬉しいものです。
で。
少なくとも肌色のパーツだけは型取りして白レジンで複製し、サフレス塗装で…なんてことを考えていたのですが、締め切り数日前に粘土埋めて半面にシリコンを流してみたところこれが大失敗。
数年前に使ったきりの粘土、ぼそぼそになってたところにちょっと水分を足して練り直してやったら見事に復活したのでそのまま使ってみたのですが、むしろ水気が多すぎたようで、原型に張り付いた粘土がキレイに剥がれません。
やむを得ず禁忌を犯して型からパーツを抜き取って洗浄し、ハメ戻した上で残り半面のシリコンを流してみましたがまぁ、案の定上手くいかないよね。
で、最初の半面を破棄することにして再度シリコンを流したんですがこの時にシリコンバリアの塗布を怠ってしまいまして…。塊と化したシリコンを切り裂いて原型を救出しなければならないハメに…。
初歩的にもほどがあるとんでもミステイクで、締め切り直前に一日半ぐらいの作業時間と約1万円分のシリコンを無駄にしました。
事ここに至っては、時間が無くなってしまったので、白レジンにサフレス塗装は諦め、原型に直塗装するしかありません。
塗装開始は例によってWF前日です。
幸いそこまで複雑な塗り分けもないのですが、またまた例によってマスキングに塗膜をもっていかれること幾度…。
そして唯一とんでもない塗り分けが必要な伏兵がこちらです。
マント状に羽織ってる法被、ほぼ全面に柄が入っております。既にWF当日の午前2時半、必死にマスキングし終えた結果がこちら。だいぶ粗いですが致し方ありません。
そもそもこの柄、劇中3DCGだとパーツの動きに合わせて都合良く伸び縮みする上、設定資料では全体がちゃんと確認できません。
本編をキャプチャしたものをコマ送りで確認しながら、当然サイズや歪みの比率が異なる自作パーツ上にどう展開するべきかを数時間かけて検証しました。
もっと早くやっておけと。
とかなんとかやってたらまぁ明け方になるわけでそれはいつものことなんですが、とりあえずクオリティは酷いものの塗装は完了したのでいざ組み立て!!
と思ったら、データ上でクリアランスの調整とかしたはずなのにうまくハマらないパーツとか、接着したのにぼろぼろ取れた挙げ句に瞬着が効かなくなったパーツとか、そんなのばっかりでいつまで経っても組み上がらない…。
そうこうするうちに、家を出なければならない時刻です。
出来上がっていません。
もう開場時間に間に合わないことが確実なのでリーダーにその旨の連絡を入れ、さらに作業すること小一時間。どうにかこうにか形になりました。
急いで版元提出用の写真を撮らねば、と慌てて撮影ブースを準備して完成品を移動……。
と、その瞬間。
上半身のパーツがぽろっ……と外れたではありませんか。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
本当にこういう時ってスローモーションに見えるんだなぁ…って思いました。ものの見事に、ゆっくりとパーツが放物線を描いて床へと落下していきます。
パキーン、という音が響いたのは幻聴だったのかどうか今となっては分かりませんが、一番造形が繊細な頭部パーツが着地と同時に砕けて四散。
しばしの放心の後、床に這いつくばって必死に捜索し、かろうじて回収できたパーツを瞬着で修復します。
が、ただでさえ組み立てに難儀したパーツばかり。元通りになるどころかもはや二度とくっつかない有様のものまで。そして、折れたパーツの破片が一つ見つかりません…。
どうにかこうにか最低限の体裁を整えて申請写真を撮影するのにまた小一時間。
とても展示できるような状態では無くなってしまった「完成」品を前に、失意のドン底で打ちひしがれながら、写真だけはなんとしても提出しなくてはならないので幕張メッセに向かいます。
昼過ぎになってようやく会場入り、とりあえず卓においてはみましたが…といった状態。
あるパーツにはヒビが入り、またあるパーツは一部欠損しており、そしてまたあるパーツは盛大に塗装が剥げています…。
それでも、事前の告知を見て期待して下さった方が本当にありがたいことに複数いらっしゃったようで、お立ち寄りのうえ喜んで頂けた方もちらほら。こんな状態で申し訳ない…という気持ちでいっぱいだったのですが、それでも写真撮って下さったりして。
内心は「イヤ〜!! 超ありがたいんですけどそんなに近寄って撮らないで〜〜!!」っていう。
毎回ギリギリで綱渡り出展をやらかしていますが、今回は完全に一線を踏み越えて大失態大失敗です。
さすがに真剣に反省して凹んでいます。
いちおう画像上げておきますが小さく…。
幸いデジタル原型のよいところは、何度でも同じパーツが手に入ること。
落ち着いたらちゃんと作り直したいとは思っていますが、もうしばらくは時間が必要そうです。
数日経って、展示品同様に酷い有様だった工作卓を片付けました。
こうしてちょっと離れて見ると、いちおう各パーツの形としてはちゃんとできてるし、クオリティはともかくちゃんと塗り分けもできてるので、あー頑張って作ったな、っていう気持ちにならなくもないのですが、その分、いろいろとやらかした反省の念だけが募る今日この頃です。
実質半年でZBrush Coreを習得して初めてのデジタル原型をひとつ仕上げ、初めての自家3Dプリントにまで挑戦していちおうはモノを得た、という点でいうと、手の遅い自分としては相当がんばった方ではあり、決して成果がなかったワケではないのです。ただ、よそのディーラーさんたちはみんな同じ条件の上でキッチリ展示品も頒布品も用意して当日に臨んでるわけですから、ただただわたしが不甲斐ないだけです。
と、改めて反省文を綴りまして、ようやくわたしのWF2020wは終了です。
では……また次回……。
気が進みませんが、恥を忍んで書き残しておきます。
前回記事でほぼパーツが揃ってきていたデジタル原型・3Dプリント初挑戦のパーツ群。
原型として仕上げるべく出力したパーツにサフを吹いて表面処理のターン。
Photon出力が思ってた以上にきれいで、少々の積層痕はこれサフ吹いたら消えるじゃん!!なんて思っていた時期もありました。
あるあるですが、いざサフを吹いてみたらこれが予想外に目立つところが結構ありましてですね…。
とはいえ別にPhotonの性能がどうこうということではなく、十分なクオリティで出せてはいるんですが原型としてはそのままは使えないな、と。
必死でヤスりますが、普通のレジンキャストパーツとUVレジンではやはり樹脂特性が違うので、思うように表面処理が進みません。
とにかくやるしか…!!と邁進しますがまぁギリギリです。
ただ、やっぱりサフ色になってみると、手作業アナログ原型ではとても出せないディティールがそれなりに出ていて、あーこういうの商業原型でみたことある!!って感じでなかなか嬉しいものです。
で。
少なくとも肌色のパーツだけは型取りして白レジンで複製し、サフレス塗装で…なんてことを考えていたのですが、締め切り数日前に粘土埋めて半面にシリコンを流してみたところこれが大失敗。
数年前に使ったきりの粘土、ぼそぼそになってたところにちょっと水分を足して練り直してやったら見事に復活したのでそのまま使ってみたのですが、むしろ水気が多すぎたようで、原型に張り付いた粘土がキレイに剥がれません。
やむを得ず禁忌を犯して型からパーツを抜き取って洗浄し、ハメ戻した上で残り半面のシリコンを流してみましたがまぁ、案の定上手くいかないよね。
で、最初の半面を破棄することにして再度シリコンを流したんですがこの時にシリコンバリアの塗布を怠ってしまいまして…。塊と化したシリコンを切り裂いて原型を救出しなければならないハメに…。
初歩的にもほどがあるとんでもミステイクで、締め切り直前に一日半ぐらいの作業時間と約1万円分のシリコンを無駄にしました。
事ここに至っては、時間が無くなってしまったので、白レジンにサフレス塗装は諦め、原型に直塗装するしかありません。
塗装開始は例によってWF前日です。
幸いそこまで複雑な塗り分けもないのですが、またまた例によってマスキングに塗膜をもっていかれること幾度…。
そして唯一とんでもない塗り分けが必要な伏兵がこちらです。
マント状に羽織ってる法被、ほぼ全面に柄が入っております。既にWF当日の午前2時半、必死にマスキングし終えた結果がこちら。だいぶ粗いですが致し方ありません。
そもそもこの柄、劇中3DCGだとパーツの動きに合わせて都合良く伸び縮みする上、設定資料では全体がちゃんと確認できません。
本編をキャプチャしたものをコマ送りで確認しながら、当然サイズや歪みの比率が異なる自作パーツ上にどう展開するべきかを数時間かけて検証しました。
もっと早くやっておけと。
とかなんとかやってたらまぁ明け方になるわけでそれはいつものことなんですが、とりあえずクオリティは酷いものの塗装は完了したのでいざ組み立て!!
と思ったら、データ上でクリアランスの調整とかしたはずなのにうまくハマらないパーツとか、接着したのにぼろぼろ取れた挙げ句に瞬着が効かなくなったパーツとか、そんなのばっかりでいつまで経っても組み上がらない…。
そうこうするうちに、家を出なければならない時刻です。
出来上がっていません。
もう開場時間に間に合わないことが確実なのでリーダーにその旨の連絡を入れ、さらに作業すること小一時間。どうにかこうにか形になりました。
急いで版元提出用の写真を撮らねば、と慌てて撮影ブースを準備して完成品を移動……。
と、その瞬間。
上半身のパーツがぽろっ……と外れたではありませんか。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
本当にこういう時ってスローモーションに見えるんだなぁ…って思いました。ものの見事に、ゆっくりとパーツが放物線を描いて床へと落下していきます。
パキーン、という音が響いたのは幻聴だったのかどうか今となっては分かりませんが、一番造形が繊細な頭部パーツが着地と同時に砕けて四散。
しばしの放心の後、床に這いつくばって必死に捜索し、かろうじて回収できたパーツを瞬着で修復します。
が、ただでさえ組み立てに難儀したパーツばかり。元通りになるどころかもはや二度とくっつかない有様のものまで。そして、折れたパーツの破片が一つ見つかりません…。
どうにかこうにか最低限の体裁を整えて申請写真を撮影するのにまた小一時間。
とても展示できるような状態では無くなってしまった「完成」品を前に、失意のドン底で打ちひしがれながら、写真だけはなんとしても提出しなくてはならないので幕張メッセに向かいます。
昼過ぎになってようやく会場入り、とりあえず卓においてはみましたが…といった状態。
あるパーツにはヒビが入り、またあるパーツは一部欠損しており、そしてまたあるパーツは盛大に塗装が剥げています…。
それでも、事前の告知を見て期待して下さった方が本当にありがたいことに複数いらっしゃったようで、お立ち寄りのうえ喜んで頂けた方もちらほら。こんな状態で申し訳ない…という気持ちでいっぱいだったのですが、それでも写真撮って下さったりして。
内心は「イヤ〜!! 超ありがたいんですけどそんなに近寄って撮らないで〜〜!!」っていう。
毎回ギリギリで綱渡り出展をやらかしていますが、今回は完全に一線を踏み越えて大失態大失敗です。
さすがに真剣に反省して凹んでいます。
いちおう画像上げておきますが小さく…。
幸いデジタル原型のよいところは、何度でも同じパーツが手に入ること。
落ち着いたらちゃんと作り直したいとは思っていますが、もうしばらくは時間が必要そうです。
数日経って、展示品同様に酷い有様だった工作卓を片付けました。
こうしてちょっと離れて見ると、いちおう各パーツの形としてはちゃんとできてるし、クオリティはともかくちゃんと塗り分けもできてるので、あー頑張って作ったな、っていう気持ちにならなくもないのですが、その分、いろいろとやらかした反省の念だけが募る今日この頃です。
実質半年でZBrush Coreを習得して初めてのデジタル原型をひとつ仕上げ、初めての自家3Dプリントにまで挑戦していちおうはモノを得た、という点でいうと、手の遅い自分としては相当がんばった方ではあり、決して成果がなかったワケではないのです。ただ、よそのディーラーさんたちはみんな同じ条件の上でキッチリ展示品も頒布品も用意して当日に臨んでるわけですから、ただただわたしが不甲斐ないだけです。
と、改めて反省文を綴りまして、ようやくわたしのWF2020wは終了です。
では……また次回……。
落ちるはスローモーションですね。
俺もやったこと多々あるのでわかります(涙
ちなMyブロ検索でナイトガンダムですな。
で今回もポカ先約で冬キャンしてました。
これもブログ見てもらった方がはやいですな。
しかしまあ行かない時に限ってイングラム祭りとは。
がしかしP2素体設定画トレースぽいのに劇1版ぽいアオシマ
より突如出てきたモデロイドに大興奮
これこれこれですよもう初期画のゴリラ系は期待
出来ないのでせめて速水系ヒーロー体系ならそれはそれで
新しい、まあアオシマもお布施で買うとは思いますが(笑)
by yan (2020-02-15 10:01)
>yanさま
いやー、その瞬間はもうマンガのように膝から崩れ落ちて呆然としました…。
もう行くのやめようかなとさえ思ったぐらいですがそうもいかずで。まぁ突き詰めればぜんぶ自分が悪いんですけどね!
イベント被りは、特にまったく別ジャンルだとなぜか意識から抜け落ちることありますよね〜。
次回は夏…ではなく今年は秋ですが、またその時にでも。
パト関係は別記事上げましたが概ね同感です(^^;
by nuke_sve (2020-02-16 11:38)