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Photonの出力設定あれこれ。2 [3Dプリンタ]

なかなかデータが完成しないんですけど。

嵌合の調整がシビアなんで気になってた、今回いちばんでかいパーツを試しに出してみました。
20200112_Photon1.jpg
でろ〜ん…。

さすがにでかいので出力13時間超え。
20200112_Photon2.jpg

今回の出力設定は
・0.05mm/11秒(ELEGOOグレー)
です。
前回、12秒だとだいぶぼってりしてしまった感があったので、11秒にしてみました。
う〜ん、このぐらいがいいのかなぁ…。まだ若干ぼってりしてる気がしますが、10秒だとまたへろへろになりそう。

相変わらずこのレジンはプリント直後がふにゃっふにゃで怖いです。ただ、前回出してみたのはさらに数日経ったところかなりカチカチになりました。なのでまぁ使えないってことはないんでしょうがちょっと特性にクセがあるのは確かです。気に入らないんでテスト出力で使い切ってしまいたい。


さらに別種のレジンも買ってあるんですけど、あんまりあれこれ試してる時間もないので、今のところ問題なくカッチリできてる気がする純正レジンを買い足し。AliExpressだとAmazonより遥かにお買い得なのを知って初めて利用してみました。海外発送ってことでドキドキでしたけど、1週間かからずに無事届き、安くてそんなに時間かからないし、これは使えますな。

ではまた次回。
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Photonの出力設定あれこれ。 [3Dプリンタ]

引き続き、導入した3Dプリンタ・Anycubic Photonであれこれ出力しながら感覚をつかんでいく作業。

先人達のいろんな経験則がネットでは見られますが、やっぱり作ってるモデルから環境から異なるのでそのまんま、とはいかないようです。とはいえウチの環境では取り敢えずクオリティの誤差はあるものの相変わらず大きな出力エラーはなくやれてるんですが。
備忘録を兼ねつつ、どこかの誰かの参考になるかもね、ということでうちの試行錯誤の過程を記録していくことにします。みんな、自分ちの設定オープンにしようぜ。


改めて、Photonのスペックは
 Layer thickness(積層ピッチ)=0.025mm〜0.1mm(0.05mm推奨)
 Normal exposure time(s)(露出時間)=6〜15秒
です。

最初使ってたレジンは、本体におまけでついてきたやつ。なので、とりあえずはデフォルト設定そのままで
・0.05mm/10秒(Anycubic純正クリアグリーン)
で試してみたところひとまず問題なく出力できていました。
ただ、ちょっとデータよりも太めに出てるような。嵌合部など、少し余裕を設けていてもちゃんとハマらないかハマってもギッチギチな感じになっていました。

また、スライサとPhoton本体とそれぞれ予想出力時間を教えてくれるんですが、大幅に開きがあるのはどうしたものかと。調べてみたらとあるブログの情報では、少なくとも純正のスライサソフトでは「Offtime(消灯(ライトオフ)時間)」は設定の数値に関係なく約6.5秒になるらしいです。薄々、この設定関係なくね?とは思ってましたが案の定。
最初1秒になっててそのままにしてたので、6.5秒にしたらスライサと本体との申告数値がほぼ一致しました。ちょうどその差の5.5秒×プリント層の数の分だけズレていたみたい。なぜこの意味の無い設定項目があるのか…。

で。0.05mmがメーカー推奨値ということなのですがもっと細かくできるならやってみようと
・0.03mm/8秒(Anycubic純正クリアグリーン)
で試してみました。
が、正直あんまり変わらず…。
もともと積層痕についてはほぼ気にならないレベルで、サフ吹けば消えそうなほどです。
むしろよそ様のキットなんかを見ててっきり積層痕かと思ってた縞々は、露光マスク用のLCDの解像度の限界によるもののようです。だとすれば、単純にプリント時間が増すだけ、無駄に積層ピッチを細かくするだけ無駄。液晶解像度の影響が少なくなりそうなパーツ配置を気にした方がよさそう。


あと、この手のプリンタではプリント後に出力品に付着した余計な未硬化レジンを取り除くためにIPAで洗浄する工程が必要になります。
取り敢えずシャバシャバすればいいんでしょ、と最初は割とテキトーにやってたんですが、ふと思い立って数分漬け置きしてみたところ、なんかディティルがよりシャキッとしたような…???
考えてみればまぁ、余計なレジンが除去しきれてなければ、二次硬化の時点でパーツが太ってディティールが甘くなったりサイズが狂うのは当たり前です。
出力精度に極端な問題がなければ、スライサの設定にこだわりすぎるよりも、むしろ事後の洗浄をキッチリやることを考えるのが良さそうな気がしています。

というのを踏まえて、今度は
・0.05mm/9秒(Anycubic純正クリアグリーン)
で出力してしっかりめに洗浄してみたら、心なしか精度がだいぶ上がったような気がしました。


で、あれこれやってたら純正レジンが切れたので、次に試したのがELEGOOのグレーレジン。
純正より割安なのでわりと流通しているようですが、初めてなのでちょっと心配。
ということで、今更のようにテストデータを作成して出力してみました。1cm角のキューブを角度を変えて3種類。
20200106_Photon1.jpg
・0.05mm/9秒(ELEGOO ABS Like グレー)
です。
不透明レジンは透明なものより露光時間が長めに必要になるようですが、透明だと短めの方がシャキッとしたので敢えて短めでまずはトライしてみました。それでもこれで約1時間45分。時間かかります。

問題なく出力されたようなので早速回収してみたところまず驚いたのが、ビルドプレートから剥がす段階でやけにふにゃっふにゃなこと。全然硬化していません。出力直後はかなり柔らかい場合もレジンの種類によってはあるらしいことは知っていましたが、純正クリアグリーンとの違いが思った以上。しかもやたらと表面がべたべたします。やっぱり9秒では明らかに硬化不足だったようです。
UV照射による二次硬化のあとはそれなりの感じに仕上がりはしましたが、歪みが出てしまっていたりサポートが折れてしまっていたり。

ということで、今度は本番パーツをスライスして
・0.05mm/12秒(ELEGOO ABS Like グレー)
でやってみました。
20200106_Photon2.jpg
不透明だからか、出力後にパーツにまとわりつく余剰レジンもよく見えます。なるほどこれはちゃんと洗った方がいいよな〜と今更実感。
さすがに9秒の時に比べると遥かにちゃんと硬化してはいるようですが、まだちょっと柔らかい感じがありますねぇ。とはいえ細かいディティールはだいぶ太り気味…。
しかも、やけにビルドプレートへの定着が強固で、剥がすのがちょっと大変でした。どうもアンバランス。あんまりこのレジン好みじゃないなぁ…。

(※お詫びと訂正追記:ここで使用しているELEGOOのレジンは、ノーマルではなく「ABS Like」仕様のものでした。ノーマルとは特性が異なると思われます。当初ノーマルなグレーであるかのように表記しておりましたが訂正しお詫びします。)


ちなみに、いずれもプレートに定着する部分は
・Bottom Exposure Time(s)(底部露出時間)=50
・Bottom Layers(底部層数)=8
でやってます。純正スライサの起動時がこの数値だったのでいじらず。ただ、今マニュアル見直したら底部層数は3〜6層って書いてあるぞ、どうなっとるんや。
いずれにせよ、プレートへの固着部分はディティール関係ないし全体の出力時間からすると大した時間でもないので、しっかり定着さえしてくれれば敢えて限界に挑戦する必要もないかと思いますので、問題が起きないかぎりはこれでいいかなと。
ここで数分稼いだりごく僅かなレジン量ケチってもってしょうがないでしょう。

それから温度もそれなりに影響するようです。
うちのプリント環境はだいたい15〜20℃ですが、Photon内部に設置した温度計によれば、本体の動作熱の影響か、室温より内部はちょびっと高めになるっぽい?臭気対策も兼ねて作動中は本体にビニール袋かぶせてるせいもあるでしょうか。
プリント中は外出の際もエアコン付けっぱなしにしてますがそれも気になるので、局所的に使える簡易的なヒーター的なものを用意しようかな。


余談ですが、いわゆる「UVバケツ」的なもの、テキトーにでっちあげてましたが手頃な箱があったので、アルミホイルを内側に貼ってちゃんと作り直してみました。
20200106_Photon3.jpg
ほどよくコンパクトでちょうどいい感じのができた気がします。満足。


そんなこんなで、猛スピードで知見を得ながらやってますが、WFに向けてタイムリミットが迫ります。こういう試行錯誤はもっと余裕がある時にじっくりやるべきなのでは…という感じですが、余裕がある時はむしろこういうことしないもので。
工具や素材やPCソフトの使い方って、これをこうしたい!!っていう強い動機がないと、なにを試しても実感できないし身に付きもしないものだと思ってます。自分はいつもそうやってあれもこれも学んできましたので、今回もまぁそのパターンで。ちょっと追い込まれすぎですけどね!
ほんとこれそもそも上手くプリントできなかったら完全にアウトだったんですけどどうするつもりだったのやら…。

ではまた次回。
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お正月スペシャル:3Dプリンタ導入の件 [3Dプリンタ]

あけましておめでとうございます。
今年もまったりマイペースで参りますので気が向いたらお付き合い下さい。

今日はお正月スペシャルということで、これです!
20200101_photon01.jpg


2019年、前年に導入しながら放置していた機材をやっと稼働させてデジタルモデリングの勉強を始めたりなんかしておりましたが、当然ながら作ったデータをいかにして立体ブツとして出力するのかというのが課題になってくるワケです。
3Dプリントサービスはいくつもあるようで、デジタルモデリング界隈も一昔前よりずっといろんなことが手軽になっているのを感じます。とはいえ、ちゃんとした出力業者に発注すると、ちょっとしたデータでも数千円〜と、それなりのコストがかかってしまう模様。
そうなると、なにかと話題の3Dプリンタががぜん気になって参ります。

そんな中、安価でそこそこのクオリティと話題で、友人も既に導入している光造型機"Anycubic Photon"が、ちょびっとだけ進化した後継機も出たことで一段とお安くなっているのを発見。



友人は5万円ほどで買ったらしいんですが、それがなんと約3万に。
業者出力のコストと比べれば、何度か出力すればあっという間に元がとれる価格です。
思わずポチってしまいました。

…というのが夏の終わりの出来事です(笑)。

買ったはいいけどノウハウもなく、そもそも出力すべきデータも出来ておらず…で、届いた段ボールのまま玄関に置いたまま数ヶ月。年末になってようやく、ワンフェスに向けて作っているデータがある程度形になってきたこともあり、自家プリントにトライしてみることにしたわけです。

開梱。
20200101_photon02.jpg
わくわくドキドキです。

先人達のブログを手当たり次第に読みあさり下調べだけは万全なので、まずみなさんぶち当たるらしい課題であるZ軸の調整なんかもなんなくこなし。さっそく付属のお試し用レジンをバットに注いで本体はセットアップ完了です。
20200101_photon03.jpg

とりあえず付属USBに入ってるサンプルデータで試してみます。
20200101_photon04.jpg
ポチっとな。
いろいろ経験談を見ていますと、だいたい初回の出力は上手くいかないもののようです。なので、それなりに試行錯誤しながらになるのはある程度覚悟しつつ。


数センチのモノでもプリントには数時間かかるので、なかなか成果が見えてきません。
本来、造形にちょっと影響が出たりするので途中で止めない方がいいようではありますが、テストなので気にせず、ほどほどのところで一時停止して確認してみました。
すると…。
20200101_photon06.jpg
できてるー!!!

いやー、嬉しいですね。
プレートにレジンが定着しないとか、途中で剥がれるとか、失敗談にはことかかないようですけど、なんのことはないあっさりと成功です。

さらに2〜3時間経過。
20200101_photon07.jpg
出来ました。

20200101_photon08.jpg
計約6時間。
設定次第で所要時間は変わるようですが、とりあえずはサンプルデータのデフォルト設定のママです。使うレジンに合わせたパラメータ調整とか、その辺はおいおい。

出力品はプレートから剥がして、IPAで洗浄後、二次硬化させる必要があります。
UV-LEDテープを使ってなかったフィギュアケースに仕込んで作った二次硬化装置にIN。
20200101_photon09.jpg
無駄が多いんでもうちょっと反射とか考えたいですがひとまずこれで。

…ということで出来上がったのが冒頭の写真のものです。

画像では伝わりませんが、3万円のキカイでここまで出れば、言うことなしじゃないでしょうか。というクオリティ。個人的には満足です。
もちろん、積層痕なんかも出てしまってはいるんですが、ちょっと前のFDM機なんかとは雲泥の差で、細かいコトを気にしなければ、ものによってはそのまま塗装して完成でもよいのでは。
これはなかなか遊べそうですよ。

ということで、ついに我が家も時代の最先端に追いつきました。
あとはどこまでこれを活用できるかですが、手作業では到底できないような精緻な造形も可能になりましたので、夢は広がりますね。

ではまた次回。今年もよろしくお願いいたします。
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